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税理士事務所,新潟県阿賀野市 税理士事務所,新潟県阿賀野市 税理士事務所,新潟県阿賀野市 税理士事務所

元国税調査官税理士,Q&A集
《随時、更新中》

1.企業経理/税務担当者からの質問

1. 月の途中で転勤の場合の通勤手当非課税限度額について
2. 勤務地が何か所もある場合の通勤手当の非課税限度額について
3. 土地の賃貸借契約書の印紙税について
4. 海外留学生のアルバイト賃金の税務
5. 海外出向者の税務
6.死亡した従業員に支払う給与、賞与、退職金の取扱い
7. 扶養親族の年齢の数え方
8. 外国法人との契約書と印紙税
9. 外国人の短期滞在者免税とは
10. 給与の「扶養控除等申告書」と年金の「扶養親族等申告書」の関係
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11. リース取引と税務
12. 圧縮記帳と10万円未満の減価償却資産の損金算入
13. 解散により残余財産を分配する場合のみなし配当
14. 印紙税の17号文書(領収書)の営業に関しないものとは
15. 支払調書と源泉所得税の関係
16. 外国税額の還付
17. 完全支配関係の子会社の吸収合併
18. 貸倒れの売掛債権を回収した場合の消費税処理
19. 退職金と給与の区分
20. 相殺領収書の印紙税
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21. 提出書類の「到達主義」か「発信主義」かの見方
22. 収用等の特別控除の譲渡年月日と収益計上日の考え方
23. 農事組合法人における従事分量配当金と消費税仕入控除について
24. ポイントを使って物品を購入した場合の税務
25. 減価償却費の即時償却制度を分割適用することの可否
26. 会社分割に係る資産移転と消費税
27. 年の中途で退職した者に係る給与所得者の扶養控除申告書の効力
28. 収用に関する補償金の税務
29. 資本剰余金の払戻しと源泉税(みなし配当)
30. 太陽光発電システムはなぜ機械装置になるのか
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31. 源泉徴収票の交付義務
32. 退職所得控除の勤続年数の数え方
33. 減価償却費として損金経理することとは
34. 労働保険、社会保険の追徴金、延滞金の扱いについて
35. 解散による欠損金繰戻還付請求
36. 給与の年度区分(年末調整)
37. 期限切れ欠損金とは
38. 定期同額給与と単身赴任手当
39. 売上漏れ(売掛金)の修正申告をした場合の消費税申告書の翌期の処理
40. 損害補償金を受取った時の法人税の処理
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41. ホームページ作成費用の取扱い
42. 海外研修生に支給する研修手当の源泉所得税の取扱い
43. 税務上の時価とは
44. 貸倒れ損失の損金算入の可否
45. 派遣社員に対する金一封の税務の取扱
46. 車通勤者の駐車場代金の負担
47. 給与の税額表「丙欄」の該当者
48. 会計ビックバンと税務
49. 会計ビックバンと税務2
50. 法人成した個人の納期特例期限
51. 粉飾経理と税務
52. 従業員の横領と税務

2.その他の質問

1.親子間取引の税務
2.相続人のいない相続財産の税務上の取り扱い
3.町内会館の賃貸料収入の税務
4.住宅ローン控除を10年未満で繰上げ返済した場合
5.海外での年金暮らしと税金
6.人格なき社団と贈与税
7.外貨預金の為替差益に関する税務の取扱い
8.一般社団法人は定款の作り方で法人課税が違う
9.年金で海外暮らしの非居住者が日本の土地を売却した場合の税務
10.公益法人が太陽光発電で売電した場合は収益事業に該当するか
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11.退職所得の収入すべき年度は
12.アパート用建物を売却した場合の減価償却費の経費配分
13.不動産収入の計上すべき日
14.公益法人が土地を売却した場合の税務
15.税務署の年末年始休みの根拠と提出書類の取扱い
16.非居住者が内国法人の株式を売却した場合の税務上の扱い
17.収益事業をしていない公益法人の税務署への提出書類
18.有限責任事業組合(LLP)と税務
19.人格のない社団等に支払う報酬と源泉所得税
20.公益法人の実費弁償の確認申請書

1.企業経理/税務担当者からのQ/A集

Q1-1  私は会社の経理担当者で源泉徴収の事務を行っています。車通勤している従業員が月の途中で転勤となり通勤距離が変更になりました。この場合の通勤手当の非課税限度額はどのようになるのですか。
A1-1
 所得税法で通勤手当の非課税限度額は月単位で決まっており、日割り計算はしません。極端に言えば月1日しか通勤しない人も、30日通勤する人も非課税限度額は同じです。また通勤距離が変更になった人について日割り計算する規定もありません。それで質問の回答としては転勤前と転勤後の距離で限度額の多いほうが利用できることになります。
 理由は税法で規定がないときは納税者有利との判断となります。 
※参考資料 国税庁HP質疑応答事例「交通用具を使用している者の通勤距離が変更となった場合の非課税限度額」
Q1-2  前回、源泉税の質問した者ですが通勤距離が違う勤務地を交互に車で通勤する従業員の通勤手当の非課税限度額も納税者有利で限度額の多いほうでよろしいですか。
A1-2  今回の場合は、出勤日数で合理的案分計算することとなると思います。具体的には月の総出勤日数を分母とし、それぞれの営業所の出勤日数を分子として計算することとなると思います。
 例えば通勤距離5kmが15日間、25kmが5日間とすると4,200円÷20日×15日=3,150円と18,700円÷20日×5日=4,675円の合計額7,825円となります。
 前回は納税者有利と言っときながら、今回は案分計算とはおかしいとの意見もあると思いますが、前回の事例は転勤月1回だけの判断ですが、今回の事例は毎月に影響するものであり、これを多い限度額でよいとすることは課税上の弊害があると思います。
 私見ですが相談の回答を出す場合、税法の規定がない場合は「納税者有利」と「課税上の弊害」の兼ね合いから判断することになり大変苦労するところです。
※参考 国税庁HP質疑応答事例「数か所に勤務する者に支給する通勤費」
Q1-3  印紙税についてお尋ねします。土地の賃貸借契約書で毎月50万円、年間600万円の賃借料を払うことになりますが印紙は必要ですか。
A1-3  土地賃貸借契約書は1号の2文書のなかの「土地の賃貸権の設定」に関する契約書に該当すると思われます。印紙税額は200円です。
 質問の毎月の賃借料50万円、年間600万円は賃借権の設定金額にはなりません。しかし土地の賃貸借契約したことで当然賃借の権利は発生していると見て課税文書と判断するわけです。ただ契約書には賃借権の設定金額は記載がありませんので(毎月の賃借料50万円は賃借権設定の対価ではありません)印紙税は契約金額の記載のないものの200円となるわけです。
 別途賃借権の設定の対価が支払われているときは、その金額で印紙税額を判断します。
 印紙税とは理屈ではなく形式(文書課税)で判断することになり、同じ法律行為であっても文書の書き方で税額が違ってきます。また文書を作らなければ課税もありません。
※参考 国税庁HP質疑応答事例の「土地賃貸借契約書」
Q1-4  中国人留学生(大学生)を雇っていますが、日本人アルバイトと源泉徴収方法は違うのでしょうか。
A1-4  日本の所得税は一義的には日本国内に住む人を二つに分類し、1年未満の居住予定か(非居住者といいます)、1年以上の居住予定か(居住者)で判断し、国籍、人種は一切考慮していません。(非居住者と居住者の税の扱いは当然違います)
 それから言うと質問の中国人留学生は大学生ですので4年以上を日本に滞在する予定になり、居住者となります。つまり日本人アルバイトと何ら源泉徴収の方法に違いがありません。
 しかし外国から留学生として入国した人には所得税法に優先する租税条約の規定を利用することができます。(利用できるとは本人が申し出て、手続きをした場合に租税条約の規定で判断するのであり、手続きをしなければ日本人アルバイトと同じ扱いになります)
 では日中租税条約ではどのような規定になっているかというと中国からの留学生(ただし学校教育法による学生)は免税です。徴収義務者経由で租税条約の届け出書と在学証明書を税務署に提出することが必要です。
 地方税について所得割は免税になるようですが、均等割りについてはその地方の条例によると思います。
 また気をつけなければいけないのは国によって租税条約の取扱いは違っていることです。ちなみにベトナム人留学生は租税条約により免税とはなりません。
※参考 国税庁HP質疑応答事例「学生のアルバイト代」
Q1-5  会社の従業員がベトナムの子会社に出向したのですが、日本の会社からも留守宅手当として本人の日本にある銀行口座に給与を振り込んでいます。税の取り扱いはどのようになりますか。
A1-5  前回の回答にも書きましたが、日本の所得税は一義的には日本国内に住む人を二つに分類し、1年未満の居住予定か(非居住者といいます)、1年以上の居住予定か(居住者といいます)で判断し、国籍、人種は一切考慮していません。それで非居住者となった場合は、日本国内で働いていなければ一切課税されません。
 質問のベトナムの子会社に出向した従業員は勤務地がベトナムなので出国の翌日から非居住者です。(1年ルールはどうなるのかとの意見があるかもしれませんが、これは居住予定で判断するのであって、現実に1年間経ってから判断するわけではありません。必ず1年で帰ってくるとの辞令等がなければ出国の翌日から非居住者です。)それで日本の会社から支払われる留守宅手当は非課税です。ただしベトナムでは課税されると思います。これは一般的な国際ルールで、居住地国(働いている国)で課税できるのです。
国税庁HPタックスアンサーNo.1920 「海外出向と所得税額の精算」
 なお、役員が海外子会社に出向した場合に支払う手当は取り扱いが違ってきます。海外に居ても国内源泉所得となります。
(「平成24年5月10日裁決) 公表裁決事例等国税不服審判所」を参考にしてください。)
Q1-6  死亡した従業員に支払う給与、賞与、退職金の取扱い
A1-6  所得税基本通達9-17「 相続財産とされる死亡者の給与等、公的年金等及び退職手当等」で相続財産となるので被相続人の所得税は非課税です。つまり源泉課税も不要です。
 会社の経理上は「人件費」「退職金」勘定で処理しますが、源泉徴収票には含めないこととなります。なお、相続税の申告が必要な相続人はこの金額を含めて申告する必要があります。
Q1-7  扶養控除申告書で控除対象扶養親族16 歳以上(平12.1.1以前生)と記載されていますが平成12年1月1日以前となる理由はなんですか。
A1-7  平成27年の年末調整の扶養親族は平成27年12月31日の現況で判断します。その時点で16歳以上であることが必要です。そうすると平成11年12月31日生まれまの人が平成27年12月31日にちょうど満16歳になるように思われますが(ふつう誕生日は生まれた日で行っていますよね)、法律上は翌日の平成12年1月1日生まれの人が平成27年12月31日に16歳になるのです。これは年齢計算ニ関スル法律により「年齢は出生の日から起算するものとし年齢が加算されるのは起算日に応答する日の前日の満了時となる」ことによるものです。つまり12月31日生まれの人は12月30日、1月1日生まれの人は12月31日に年齢が1歳あがるのです。結果的に平成12年1月1日生まれの人も平成27年12月31日に16歳となるのです。
Q1-8  このたび外国法人と工場建設の契約書を結びましたが印紙(印紙税)は必要ですか。
A1-8  この契約書が成立した場所が日本国内であれば貼る必要があります。しかし代表者等が外国に行きそこでお互い署名して成立した場合は貼る必要がありません。その場合は契約書に外国の地でこの契約者が成立したことをコメントしておく必要があります。
※参考 国税庁HP質疑応答事例「外国で作成される契約書」
Q1-9  外国人(非居住者)の短期滞在者免税というものがあるそうですが、外国人は短期間の滞在であれば給与に税金はかからないのですか。
A1-9  皆さん短期滞在者免税について大いに誤解があると思います。免税になるものは外国法人等から支払われる給与だけであって、日本の会社等から支払われる給与について免税はありません。
 この免税に該当するのは、外国法人の従業員等で日本に出張してきている者に外国本国で支払われる給与です。そんなのあたりまえと思われるかもしれませんが、国際租税のルールがあり、役務提供地国課税が原則で日本の会社が給料出していなくとも日本にいる外国人は本国から受取る給料について日本で申告する義務があるのです。この申告は準確定申告といいます。この申告義務がある人たちが租税条約の届出書を出すことにより短期滞在者免税となるのです。この短期の日数は183日となります。
 では日本の会社から支払われる給与はどうなるかといいますと20.42%の源泉税が必要になります。
※一部参考 国税庁HP質疑応答事例「日米租税条約における短期滞在者免税を適用する場合の183日以下の判定」
Q1-10  私は給与と年金をもらっていますが、会社から「扶養控除等申告書」年金事務所から「扶養親族等申告書」がきています。関係はどのようになりますか。
A1-10  まず考え方として給与は給与所得、年金は雑所得となり所得の種類の違いがあります。そして給与所得については2か所以上勤務がある場合、扶養控除等申告書は1カ所しか出せません。しかし所得の違う年金(雑所得)についての調整規定がありません。結果的に会社と年金事務所に同じ扶養控除者の名前を記載しても差し支えないと思います。ただし確定申告では合算となりますのでそこで清算(控除はダブらない)となると思います。
Q1-11  リース取引は税務上売買とみなすと言われましたがどのようなことですか。
A1-11  リース取引は法律のうえでは賃貸借取引ですが、実態は分割払いの売買と変わらないリースがあります(ファイナンシャルリースといいます)。これについては、売買として経理した方が実態にあっていると会計上で取決めました。それで税務上もその取扱いにしました。それで原則的にはリース物件を会社の資産に計上してもらって減価償却費(リース期間定額法)として経理してもらうことになりました。また消費税もリース物件が来た時に全額仕入れ控除してもらうことにしました。しかし今までどおり賃貸借の経理をしたいという人の要望があり、これも認めることにしました。結果的に会社は二通りの経理があります。でも所得の計算には大きな違いはでません。
 ではなぜ会計でこのような動きになったかというとリース取引は決算表の貸借対照表に資産も負債も表れてきません。見た目に大きな設備がありながら、また何年間のリース料の支払いがありながら決算表に表れない(オフバランス)のは銀行も投資家も正確な判断ができないということです。
※参考国税庁HPタックスアンサー法人税No.5702 リース取引についての取扱いの概要(平成20年4月1日以後契約分)
Q1-12  法人ですが国庫補助金の圧縮記帳をしたら帳簿価格が10万円未満になりましたが一時の損金にしていいですか。
A1-12  法人税法施行令54条に法人税法の規定による圧縮記帳をした場合は、圧縮記帳後の金額をもつて当該資産の取得価額とみなす。との規定がありますので圧縮記帳後が10万円未満であれば損金算入できます。
※参考国税庁HPタックスアンサー法人税 法人税法上の圧縮記帳
Q1-13  解散により残余財産を分配するとき源泉税がかかる場合があると聞きましたが本当ですか。
A1-13  本当です。残余財産を分配するとき元入れ金を超えて分配するとその分は利益の配当となり(これをみなし配当といいます)20.42%の源泉税がかかります。
 あと蛇足ながら、残余財産の分配は清算結了後になると思います。つまり解散はこれから清算事務に入りますという一分岐点でありその清算事務が終わった時点が清算結了となります。
 清算事務に入りますとほとんどの会社が経理担当もいなく税理士さんもいなく
そのままになっており各役所関係からお尋ねの電話文書が行くことになります。法人を作ったら最後の締めも大切です。財産の処分をすると消費税が発生する場合がありますので要注意です。
Q1-14  領収書の営業に関しないものの非課税とはなんですか。
A1-14  営業とは商人(会社)の行為です。そして印紙税法では医師、弁護士、税理士等は商人に入らないのです。そもそも印紙税法は、明治時代に作られた税法です。それを21世紀に文書課税として残っていることに矛盾点が見えてくるわけです。明治時代と今では経済の流れがちがってきているのに基本はそれを踏襲しているのです。だから明治時代になかったクレジット払い(購入者と代金支払者「クレジット会社」は違う)による受取書は17号文書の定義に該当しなく不課税になるのです。また医師、弁護士、税理士等も今では立派な営業者と思いますが営業に関しないものになるのです。しかし税法として残っている以上割切り(ある原則に立って、物事を単純明快に解釈し結論を出す。また、その結論にしたがって決断する。)が必要です。
Q1-15  法人に支払った著作権の使用料は源泉徴収する必要がありませんが、支払調書は提出する必要があるのでしょうか
A1-15  支払調書は源泉徴収したことを報告するためのものではありません。相手がきちんと申告しているかチェックするための資料として提出してもらっているものです。法人もチェックする必要があるので提出をお願いしているわけです。私見ですが、いま経済が複雑化グローバル化していることや納税者の権利意識が高まっていることから、旧態依然とした調査では公平性や効率性が保たれないことや善良なる納税者に余計な負担(調査)を受けさせることになります。やはり多くのデーターを集めたうえで申告書とチェックして、そこら申告が過少な者を調査していくことが必要とおもわれます。そのためにも納税者番号制度は有意義だと思います。
 ※参考:源泉徴収が必要な報酬は所得税204条に掲げられていますが、ほとんどが個人です。法人が受取る支払いで源泉徴収が必要なのは「馬主に支払われる競馬の賞金」だけです。
Q1-16  法人税別表1を見ると、控除しきれない外国税額が還付できるように作られていますが、なぜ外国に納めた税金を日本政府が還付するのですか。
A1-16  多くの方が誤解しているようですが、外国税額は控除をしますが還付はしません。法人税別表1をみると確かに外国税額が還付になりますが、これは単純に言いますと外国税額を過去に控除できなかった(例えば外国税納付と外国収益の決算期のずれや外国控除限度額の制限など)により日本に法人税を多く納めた分が還付になるということです。結果的に過去に控除できなく法人税を多く納めていた場合、当期に控除できるのに控除前の税金がなかった場合に還付になるのです。だから欠損が続いている法人は外国税額控除をするか外国税額を損金算入するかシミユレーションする必要があります。
Q1-17  100%子会社を吸収合併する場合の会計と税務を教えてください。
A1-17  税務の取扱いは双方の決算書や合併契約書をみて判断することになります。つまり個々の内容により税務の取扱いが違ってきますので一概に回答はできません。
 そこで単純な事例を想定して回答します。
 例えば資産が1000万円、負債が1200万円、資本金が300万円、欠損金500万円の100%子会社を吸収合併し、親会社仕訳を   
 資産     1000万円  / 負債         1200万円
 子会社消滅損  500万円  / 子会社株式(投資資産)300万円
とした場合、税務上はどのようになるかと言えば、この合併は適格合併となります。
 理由として@100%支配関係間の合併であること 
      A合併において金銭の収受が行われていないことです。 この場合税務では支配関係が変わらない場合は損益を発生させないというのが基本的な考え方になります。つまり子会社消滅損は親会社の資本金等を減少させた取引として考えることになります。税務上の仕訳は
 資産    1000万円 / 負債    1200万円
 利益積立金  500万円 / 資本金等  300万円
となります。そこで税務上の処理は、会社が仕訳した子会社消滅損500万円を損金不算入(加算留保)とします。 要は合併により会社が損益を計上した場合は、その損益をなかったことにすることになります。そのかわり、子会社の青色欠損金は引継げます。
 考え方として子会社の資産負債及び税務上の利益積立金、資本金等をそのまま受け入れることとなります。
なお、ここでは別表5(1)の調理は少し複雑になるので次の機会に記載したいと思います。
Q1-18  貸倒れにした売掛金の一部が回収できました。消費税はどのような計算になるのですか。
A1-18  貸倒れにした売掛金は、貸倒れ発生年度ですでに税額控除をしていると思いますので、今度は債権回収した売掛金のうち回収消費税分は納付してもらうことになります。
このとき気を付けなければならないのは、消費税申告書の「課税標準額」欄に含めて計算するのではなく、別欄の「控除過大調整税額」に直接消費税額を記入してもらうことです。
 なぜ別欄にする必要があるかと言えば、当年度の課税売上割合に影響させないためです。法人税の計算では債権回収額を雑益として科目を一緒にしても所得には影響しませんが、消費税は課税売上割合の計算がありますので債権回収については課税標準額に含めない処理が必要です。
なお、簡易課税の場合は「貸倒れ回収に係る消費税額」の欄になります。 
※参考 国税庁HP タックスアンサー消費税「No.6405 課税売上割合の計算方法」
Q1-19  今回創業社長が株主総会で退職し非常勤の会長になります。そこで退職金を支給したいと思います。ただ金額が多額になるので分割で支払います。税務上問題がありますか。
A1-19  今回の質問で問題が三つほどあります。
    1. 実質に退職にあたるか。
    2. 金額が適正か
    3. 未払いが認められるか。
 以上について説明すると、
  1.引続き勤務する者の実質退職とは今後会社経営と一切関係ないことになることや報酬が半減することなどが必要です。
 2.退職金額は勤続年数、役員報酬額、功績割合から計算し適正な金額すべきです。適正でない場合は損金不算入となります。この適正な金額は法律に算定基準がありませんので同業者比較などを参考にします。
 3.引続き会社に勤務する者の退職金は原則未払いが認められていません。(これは法人税法基本通達9−2−32の(注)の「退職給与として支給した給与には、原則として、法人が未払金等に計上した場合の当該未払金等の額は含まれない。」によります。 以上をクリアしないと役員賞与または過大役員報酬となる場合があります。
※参考 国税庁HP No.5203タックスアンサー法人税「使用人が役員へ昇格したとき又は役員が分掌変更したときの退職金」
Q1-20  売掛金の相殺領収書について印紙は必要ですか。
A1-20  印紙税の17号文書は「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」となっていますので相殺は債権の消滅であり、何ら金銭を受取っていませんので印紙はいりません。領収書がすべて17号文書になるわけでないので気を付けたいところです。
※参考 国税庁HP質疑応答事例 印紙税「相殺による領収書」
Q1-21  法人税の青色申告の承認申請書の提出日は到達主義ですか発信主義ですか。
A1-21  法人税の青色申告の承認申請書は発信主義です。各申請書についての到達主義か発信主義かについて国税庁HPの「税務手続に関する主な書類の提出時期の一覧」に掲載されています。
 なお、提出書類を見て「通信日付印」の欄があれば発信主義、なければ到達主義と覚えておくのもよいでしょう。
※参考 国税庁HP「税務手続に関する主な書類の提出時期の一覧」
Q1-22  収用等の所得の5000万円特別控除の条件に譲渡は、申し出があった日から6か月以内に行われたこととありますが、実際に土地を引渡したのは申し出から1年経っています。この場合、特別控除は受けられないのでしょうか。なお譲渡契約は申し出から6か月以内にしています。
A1-22  法人税法基本通達2-1-14により収益計上日は原則引渡し日です。これは収用による譲渡でも同じです。つまり上記の質問で収益計上日は引渡し日です。では所得の5000万円特別控除の条件に該当しなくなるのかと言えば法人税別表10(5)[3]の「収用換地等による譲渡年月日」の欄には譲渡契約日を入れておけばよく、契約が申し出から6か月以内となれば特別控除の条件をクリアしたことになります。
Q1-23  農事組合法人ですが組合員の労働の対価に応じて従事分量配当金を支払っていますが、これは消費税の仕入れ控除になりますか。
A1-23  従事分量配当金は利益の配当金でないため法人税法上経費となります。そして労働の対価に応じて支払うことから賃金となり、消費税の不課税取引に当たり仕入れ控除はできないとの考え方もあります。しかし組合員に支払う従事分量配当金は賃金でなく、対価を受取った組合員の農業所得になります。つまり農事組合法人から見ると、配当金や賃金の支払いでなく外注費の支払いとなります。 結論として消費税の仕入れ控除はできることになります。
※参考:国税庁HP文書回答事例「農事組合法人が支払う所得税法施行令第62条第2項に該当する従事分量配当に係る消費税の取扱いについて」
Q1-24  ポイントを使ってパソコンを購入しましたが仕訳はどのようにすればいいのでしょうか。
A1-24  ポイントを使った時に値引きをされたとして処理をするのが一番いいでしょう。例えば10万円のパソコンをポイント使って購入した場合、実際支払う金額が8万円であれば8万円が物品の購入代金となります。消費税も8万円に対する額が仕入れ控除となります。なお、ポイントを交付された時は仕訳をする必要がないでしょう。
Q1-25  青色申告をしている会社です。今回、生産性向上設備を購入したところ減価償却費の即時償却ができると言われましたが、それを適用すると決算が赤字になってしまいます。翌年と分割償却ができますか。
A1-25  即時償却といってもこれは減価償却制度の特別償却であり、償却限度額が結果的に100%になるという制度です。そして特別償却制度には特別償却不足額の繰越しが1年間できます。つまり法人税法での減価償却費は任意の額で償却できますので、今年度に赤字にならないような額まで償却し、その限度額残を翌年に繰越して償却できます。会計学的に言うと適正な原価配分でないような気がするのですが、法人税では任意償却という制度があり、赤字なら任意で償却しなくてもよいというものです。ただし普通償却には償却不足の繰越制度がありません。償却不足繰越制度があるのは特別償却だけです。
(租税特別措置法52条の2)
Q1-26  会社分割に伴って行われる資産移転には消費税がかからないのですか。また営業譲渡ではどうなりますか。
A1-26  会社分割における資産の移転は包括承継(合併、分割、相続などの一括承継のこと)となり消費税は不課税となります。根拠は消費税法2条1項8号(資産の譲渡の定義)となります。
 また関連で、消費税施行令2条1項4号(資産の譲渡等の範囲:4号貸付金その他の金銭債権の譲受けその他の承継(包括承継を除く。))です。つまり、包括承継は資産の譲渡にあたらないということです。
また、営業譲渡は資産の譲渡であり、包括承継にはならないので譲渡資産を個々に課非判定することになります。
*不課税とは大雑把に言えば最初から消費税の対象にならないものをいいます。
※参考:国税庁HP 質疑応答事例 消費税「営業の譲渡をした場合の対価の額」
Q1-27  当社は給与の支払いが翌月払いなので退職後にも給与の支払いが出てきます。この場合源泉所得税の計算は乙欄となりますか。
A1-27  扶養控除申告書の効力は原則退職で終わります。しかし退職後すぐに他の勤め先を見つけられる人ばかりでないので所得税基本通達194/195-6では条件付きで甲欄課税を認めています。その条件は他に扶養控除申告書を提出していないことがわかれば甲欄課税を認めています。
Q1-28  先日、会社の土地、建物が県の収用にかかり、対価補償金と移転補償金がでました。法人税と消費税の取扱いが違うと聞きましたがそのことについて教えてください。
A1-28  法人税は収用の補償金が所得の特別控除の対象になるかについて実質で判断しますが、消費税は補償金に対価性があるか無いかを形式で判断します。
すこし詳しく説明すると法人税の収用の5000万円特別控除に該当するのは対価補償金(物の売買代金)が対象になりますが移転補償金(経費の補償金)はなりません。
しかし移転補償金でも例えば建物を引渡さないで壊すけれども、実質建物の対価の補償と同じであれば特別控除の対象になります。
しかし消費税の場合は、建物を引渡さない移転補償金は対価性なし(損失補てん金と同じ)となり不課税取引となります。ざっくばらんに言えば消費税は契約書等の文言で判断することになると思います。
※参考:消費税基本通達5−2−10
    対価補償に該当しないものの例示として
(3) で「資産の移転に要する費用の補てんに充てるものとして交付を受ける補償金」とあります。
Q1-29  減資による払戻しにも源泉税がかかると聞きましたが、資本金の払戻しなのになぜ源泉税が課税されるのですか。
A1-29  税務上は資本金の払戻し(資本金を資本剰余金に振替したうえで払戻し)のうち資本金等を超える分の払戻金は利益の配当になります。
 たぶん会計上は資本金の払戻しなので利益の配当なんてないはずと言うかもしれませんが、税務上は払戻金のうち会社の純資産を案分計算して資本金等を算出して、それを超える部分がみなし配当となります。
 例えば800万円の純資産がある会社で資本金は500万円とします。この会社が200万円を減資して払い戻した場合、200万円のうち資本金等の額は(500万円×800万円分の200万円)125万円となります。残りの75万円が利益の払戻になります。この75万円がみなし配当となり源泉税がかかります。
 このことは払戻しを受けた方も有価証券の帳簿価格の減額は200万円でなく125万円となります。
 *会計と法人税の考え方にずれがある場合には、法人税別表4及び5(1)で調整することになります。このずれを会計上の決算書で表したのが税効果会計となります。このようにして一見して訳の分からないような決算書や法人税別表5(1)が増えていきます。
※参考:法人税法施行令8条1項16号
Q1-30  私はサラリーマンですが、自宅で太陽光発電の電力売却も行っており雑所得として申告するつもりです。それで太陽光発電システムの耐用年数をお聞きしたら機械装置の17年と言われましたがそれでよろしいのでしょうか。工場でもないのに機械装置になるのでしょうか。
A1-30  機械装置とは一般的に@業用にA生産に携わる装置が該当します。これは何も工業製品の生産だけでなくホテルにおける厨房装置やコインランドリーなども生産用設備に該当します。つまり太陽光発電システムも@電力売却業用のためにA電力の生産を行っている機械装置となります。そして耐用年数の決め手になるのは最終的に何の業用(最終製品)に使われている機械装置かで判定します。この電力をホテル業に使えば宿泊業用となり「47 宿泊業用設備」の10年の耐用年数となります。そして電力を売却するのであれば最終製品は電力であり電気業用となり機械装置の「31 電気業用設備の主として金属製のもの」として17年となります。
※参考 国税庁HP質疑応答事例 法人税「風力・太陽光発電システムの耐用年数について」
Q1-31  私は会社を中途退職したので確定申告をしたいのですが、会社が源泉徴収票を発行してくれません。これは何か法的効力はないのですか。
A1-31  源泉徴収票の原本がないと確定申告で還付は受けられません。そこで法律では給与の源泉徴収票を含む7つの支払調書について交付義務を課しています。そして交付が得られない場合は税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を作成し税務署に提出してください。この届け出用紙は国税庁HPの[手続名]源泉徴収票不交付の届出手続でアップされています。
※参考:国税庁HP 質疑応答事例 法定調書 「給与所得の源泉徴収票等の交付義務」
Q1-32  今回20年勤続した役員が退職し退職金を支払います。ただ役員退職金規定が5年前に廃止になりましたので、廃止になるまでの15年分で退職金額を計算し今回支払います。退職所得控除の勤続年数は何年になりますか。
A1-32  実際の勤続期間の20年で計算することになります。退職所得控除は退職金の計算期間でなく実際勤続した年数で計算します。今回の事例の場合、退職金計算は15年でしていますが、実際の勤続は20年ですので20年の800万円が退職所得控除額となります。また所得税法基本通達30-7では長期欠勤や休職中の期間も含まれると規定されています。
Q1-33  法人税の申告後に資産計上すべき器具が材料費に入っていることがわかりました。金額は40万円です。これは減価償却費として損金経理したと認められますか。
A1-33  法人税法基本通達7−5−1(法人が償却費の科目をもって経理した金額のほか、損金経理をした次に掲げるような金額も含まれるものとする)の(6)に「少額な減価償却資産(おおむね60万円以下)又は耐用年数が3年以下の減価償却資産の取得価額を消耗品費等として損金経理をした場合のその損金経理をした金額」との規定がありこれに該当するかとの問題になります。
 たしかに質問の金額は60万円以下ですが問題は「消耗品費等として損金経理」したことになるかです。ここで法人税法31条を見てみますと「償却費として損金経理をした金額」となっており原則は償却費との記載が必要であり、通達は類似するものを限定列挙で挙げたとみるべきです。それ以外は償却費として損金経理したこととは認められないのではないかと思います。
 つまり質問の場合の40万円は償却費として損金経理したことにならないことになります。
ただし更正を予知しない自主修正申告であれば申告調整により減価償却明細書を添付して損金算入できます。
(法人税法基本通達7−5−2)
Q1-34  今回、労働保険、社会保険の追徴金、延滞金を支払いました。損金不算入となりますか。
A1-34  損金算入となります。理由は法人税法で損金不算入の扱いがないからです。よくどこに書いてあるかと質問を受けますが、法人税法に損金不算入になる扱いが書いていないから、損金算入となるわけです。
なお、損金不算入の租税公課等は法人税法38条、55条等に定まっています。
Q1-35  解散による欠損金繰戻還付請求は通常年度の繰戻還付請求と違いがありますか。
A1-35  通常年度の欠損金繰戻還付請求は中小法人のみですが、解散による場合は大法人でも還付請求はできます。また還付対象年度も還付請求書の提出期限も有利になっています。詳しくは
国税庁HP 税務の手続きの案内[手続名]欠損金の繰戻しによる還付の請求を参照してください。
Q1-36  年末調整の年度区分についてお尋ねします。私の会社は毎月の給与を月末に締めて、翌月10日に支払いしています。つまり平成27年12月分は翌年の平成28年1月10日に支払いしています。この12月分は平成27年分の年末調整に含めるのですか。
A1-36  含めません、平成28年分となります。給与の収入すべき日は毎月定まっている支払日です。つまり平成27年に定まっている支払日の給与を集計して年末調整をします。質問の12月分は支払日が平成28年1月ですので28年分として年末調整してください。
 反対に平成27年中に給与の支払日が来ているのに資金繰りが悪くて支払っていないもの(未払い給与)は27年分に含めて年末調整をします。
※参考:国税庁HP タックスアンサーNo.2509 「給与所得の収入金額の収入すべき時期」
Q1-37  法人を解散する予定ですが、期限切れ欠損金とはなんですか。
A1-37  法人で青色申告している会社は欠損金が出た場合、青色欠損金として9年間繰越控除ができます。しかしこの9年間が過ぎた場合はもう控除ができません。しかし会社再建や解散などの特別な事情の場合に債務免除益等で所得が出た場合、この控除できなかった欠損金が控除できることになります。ところでこの期限切れ欠損金は法人税申告書で管理していないので算出方法は法人税別表5(1)の利益積立金「差引合計額」欄の@の金額がマイナスになっていたらその金額と青色欠損金との差になります。なお、この控除は法人税別表7(3)を使って計算します。
※参考:国税庁HP その他法令解釈に関する情報「平成22年度税制改正に係る法人税質疑応答事例(グループ法人税制その他の資本に関係する取引等に係る税制関係)(情報)」の問8から問11です。
Q1-38  当社の役員が事業年度の途中で異動になり単身赴任となります。そこで単身赴任手当を支払います。定期同額給与となりますか。
A1-38  定期同額給与となります。原則定期同額給与は事業年度開始から3か月以内に改定したものしか認めませんが、やむを得ない事情の場合は定期同額給与として認められます。(法人税施行令69条1項1号ロ)
 役員給与については平成18年に大幅な改正があり、税法の扱いも実情にそっていなかったこともありましたが最近は国税庁も情報を出して実情にそった取扱いになってきています。
※参考:国税庁HP その他法令解釈に関する情報法人税「役員給与に関するQ&A」
Q1-39  税務調査があり売上漏れ(売掛金)の修正申告をした場合、翌期の消費税申告書はどのような調整が必要ですか。
A1-39  たぶんこの修正申告は売上の期ずれと思われますので、会計上は翌期に売上計上されていることと思います。そこで消費税は直接消費税申告書で前期に売上漏れした金額を課税売上から減算する方法が一番良いと思われます。しかしどうしても会計上の仕訳を入れたいのであれば
「売上(課税売上)xxx / 前期損益修正益(不課税)xxx」となると思います。
 あと消費税修正申告の納付のための仕訳として「仮受消費税xx/未払消費税xx」としておき納付したときに「未払消費税xx/現金預金xx」となると思います。
Q1-40  法人が建物の振動障害補償金を期末に受取り、翌期に修理をしました。これは当期の雑収入になりますか。
A1-40  原則補償金を受取った時の雑収入となり、修繕費は修繕を終了した時の経費となります。しかし法人税法基本通達7−8−7(注)により「当該補償金の交付を受けた日の属する事業年度終了の時までにその機能復旧のための固定資産の取得又は改良をすることができなかった場合においても、その後速やかにその取得又は改良をすることが確実であると認められるときは、当該補償金の額のうちその取得又は改良に充てることが確実と認められる部分の金額に限り、その取得又は改良をする時まで仮受金として経理することができる。」とありますので事情により仮受処理でもよいと思われます。
Q1-41  ホームページの作成費用60万円を業者に支払いました。これは繰延資産になりますか。
A1-41  ネット上に掲載された時の経費(広告宣伝費)でよろしいと思います。繰延資産とは支出の効果が1年を超えるもので税法に規定されたものですが、ホームページの作成費用については、税法上の繰延資産に掲載されていませんので一時の損金でよろしいと思います。
 ※参考:国税庁HPタックスアンサー法人税 No.5461「ソフトウエアの取得価額と耐用年数」   のなかの「ホームページの作成費用」
Q1-42  当社にはベトナムに子会社があり、そこで採用された者は日本の本社で1年の研修があります。その研修生に当社が支給する研修手当について源泉所得税の取扱いはどうなりますか。入国目的は「研修」です。
A1-42  非課税として課税する必要はないと思います。理由として研修手当は労働の対価でなく、入国管理局に届け出た研修のための生活費等の実費弁償の支給であることからです。(強いて所得税法の定めを当てはめるなら所得税法9条非課税所得の「学資に充てるために給付される金品」になるかもしれません) ただ、研修手当が労働の対価(勤務時間に応じて支払い)であれば入国管理法にも違反していますし、税務上も給与として課税する必要があります。
Q1-43  今回、関連会社(出資割合80%)に土地建物を売却する予定ですが、いくらで売却すれば税務上問題がありませんか。
A1-43  税務上、法人間の取引は時価で売却しないと寄付等になりますが、時価は幾らかと質問されても市場価格であるとしか言いようがありません。(参考「法人税法基本通達において9-1-3時価は、当該資産が使用収益されるものとしてその時において譲渡される場合に通常付される価額による」と規定されていますがこれとても評価の一つの考え方です) 売買実例がないときは路線価や固定資産税の課税標準などを参考に決めるべきです。税務上もよほど不自然な価格でない限り認めることになると思います。(税務署が更正するには不自然な価格であることを税務署が立証することになります。税務署の立場から言うと「価格」でなく「取引」が不自然であることを立証する方が容易です。例えば移転登記が行われていないとか、契約書がないとかです。)
 なお、完全支配関係会社間でも時価取引が原則です。
グループ法人税制は法人税申告書の別表4、別表5(1)のうえで帳簿価格としての調整をおこないます
Q1-44  代表者の兄弟が経営している法人に貸付けている金銭が貸倒れになりました。法人税法上損金になりますか。
A1-44  代表者の個人的動機だけで融資したのであれば、貸倒れ損失の計上と同時に代表者に対する損害賠償請求権を計上すべきです。つまり貸付先が兄弟の経営している法人から代表者個人に変わっただけで損失は発生しません。なお代表者に対する損害賠償請求権を放棄すると代表者に対する賞与となります。このようなことにならないよう貸付理由が法人にとって合理的理由であることが必要です。
Q1-45  業績がよかったので当社に派遣されている社員(派遣社員)にも当社の社員と同じように金一封として一律5万円を渡しました。源泉所得税は必要になりますか。
A1-45  御社の社員の取扱いは給与として源泉課税をして年末調整に含めていただきます。しかし派遣社員については雇用関係がないので受領した者の雑所得となります。源泉は不要です。
 派遣社員に渡す金銭は、私見として給与として乙欄課税するのが一番いいと思うのですが、雇用関係と派遣関係の法律上の違いから税務上も給与として課税できない状況です。また法人税法上も雇用関係のない者(派遣社員)に謝礼として渡したものとして交際費となる可能性もあります。
なにか釈然としません。雇用形態の変化に税制も対応していく必要があると思います。
Q1-46  当社は駐車場が狭いので車通勤の各人に会社の近くに駐車場を借りてもらって、その駐車場代金の一部を従業員に支給しています。これは税務上どのような扱いになりますか。
A1-46  一般的には通勤手当を支給したものとして取り扱います。他に通勤手当が出ていたらそれと合算し、「交通用具を使用している者の非課税限度額」により、限度を超える部分は給与として源泉課税になると思います。
Q1-47  給与の税額表に「日額丙欄」とは日雇賃金となっていますが税額表の(注)欄にその日払いでなくともいいとか、2か月を超えるとダメとか書いています。2か月を超えるとどのようになるのでしょうか。
A1-47  一の支払者から継続して2か月を超えて給与等の支払いがあると丙欄は使えません。
甲欄か乙欄になります。また「日額丙欄」は日雇賃金となっていますが2か月以内ならに日給月給(月払い)でも「日額丙欄」で計算できます。たぶん学生アルバイトを想定して作ったものと思います。確定申告で還付なるような給与であれば最初から源泉しないという趣旨だと思います。
 2か月を超えるようであれば扶養控除等の申告書を提出してもらいましょう。
Q1-48  会計ビックバンと税務の関係をあえて一言でいえばどうなりますか、教えてください。
A1-48  あえて独りよがりの一言でいうと次のようになります。
阿賀野市 税理士
Q1-49  上記48で説明のなかった「退職給付会計」「ストックオプション」「自己株式」なども税務との関係を一言で教えてください。
A1-49  あえて一言でいうと次のようになります。
阿賀野市 税理士
Q1-50  今まで個人事業として申告していましたが、今年の4月から法人成しました。個人時代の源泉所得税は納期特例制度を利用していましたが、個人事業廃止により納期限はいつになりますか。
A1-50  納期特例の期限の7月10日となります。事業を廃止したとしても納期限の利益は奪われません。ただし納付が見込まれないなどの一定要件のときだけ税務署長は繰上げ請求することができます。しかし今回の質問の場合は繰上げ請求を受けていませんので通常通り7月10日が納期限となります。なお、新設した法人については別途納期特例の申請が必要になります。
※参考 国税通則法38条(繰上げ請求) 民法136条(期限の利益)
Q1-51  許認可の関係で数年前に未成工事支出金を過大に計上する方法で粉飾決算を行いました。また税務申告も粉飾のまま申告しています。その後も毎期同じ方法で未成工事支出金を過大に計上しています。今回、税務調査が入るとの連絡を受けたのですが、何か処分はあるのでしょうか。
A1-51  税務調査は正しい所得で申告しているか調査するものであって、所得が粉飾により過大に申告してあってもそれを是正します。昔の税務調査は粉飾による過大申告はそのままにしておいたとの話もありますが、それはその後の税務処理に禍根を残す不作為の処理となり許されません。ではどのような処理をするかというと減額更正できる期間であれば、減額更正をします。ただ粉飾決算である場合は法人税法70条により、税金の還付は一定の制限がかけられます。また減額更正期間を過ぎていた場合でも別表5(1)の利益積立金額の期首、期末に粉飾資産のマイナス処理をします。つまり税務申告書を見れば粉飾しているかわかるようにします。
※参考
●国税庁HP:法人が「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を適用した場合の税務処理について(情報)の問8
●法人税法第70条 仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除
Q1-52  当社は卸問屋です。従業員が2,3年前から商品を横流していることが発覚しました。税務処理はどのようになりますか。
A1-52 この損失は税務上直ちに法人の損金にはなりません。損失分(棚卸減耗損)は従業員に対する損害賠償請求権(債権)となります。横流ししていた各年度の修正申告が必要になります(損益勘定は売上原価過大、資産勘定は損害賠償請求権)。そのうえで従業員より損失の回収を図ります。安易に損害賠償請求権を免除すると従業員に対する給与となります。ただし従業員に返済資金がない場合は最終的には貸し倒れ損失となります。
参考 法人税法基本通達2-1-43(損害賠償金等の帰属の時期)

2.企業以外からのQ/A集

Q2-1  自分は年を取ったので専従者の息子に事業を引き継ぎ、息子を申告者としたい。この場合、息子と私が店舗の賃貸借契約を結び、幾ばくかの賃借料を息子から受取るつもりです。この場合、私と息子の申告はどうなるのでしょうか。
A2-1
 息子さんと生計を一緒にしている場合は、息子さんがあなた(親)に支払う賃借料は必要経費にはなりません。あなたの受っけとった賃借料も不動産所得にはなりません。
 ただし、あなたが支払った固定資産税は息子さんの経費になります。また、減価償却費も親が事業していた時と同じように経費となります。
 事業の引き継ぎの場合は、税務署への親の廃業届け、子の開業届も忘れずに行ってください。
 なお、生計を別にしていれば息子さんが支払う賃借料は経費になりますし、あなたは不動産所得の申告をすることになります。
 ※一部参考 国税庁HP質疑応答事例の「生計を一にする親族の有する資産に係る特別償却」
Q2-2  相続人が誰もいない場合、税の取り扱いはどのようになるのでしょうか。
A2-2  相続人がいないときは、相続財産は相続財産法人になるものされており、法人としての権利主体が創設されます。
相続財産法人には相続財産管理人が選任され、管理人が相続財産の管理や清算を行います。
 そこで税務上の取り扱いは普通法人(全部の所得に課税される法人)として法人税の申告をすることになります。被相続人が死亡した時の財産を資本金等(元入れ金)として引継ぎ、それ以後発生した所得(益金−損金)が課税所得となります。法人税は所得が0円でも申告することになります。なお、相続財産管理法人が被相続人から相続財産を引継した時点では受贈益とし法人税は課税されません。(元入れだからです)
 ※一部参考 国税庁HP 「民法上の相続人が不存在の場合の準確定申告の手続」
 (なお、国税庁HPは被相続人の死亡時までの所得の申告の方法についての掲載です。回答は被相続人の死亡後の所得の取扱いですので注意してください) 
Q2-3  町内会館を使わせ、わずかな賃貸収入がありますが申告の必要がありますか。
A2-3  町内会は登記していなければ人格なき社団となり、登記してあれば認可地縁団体となります。いずれにしても法人となります。そして法人税は法人の業態に応じて課税の範囲を決めています。人格なき社団および認可地縁団体は、限定された34の収益事業を行った時のみ課税となります。そのなかに「席貸業」というものがあります。町内会館を使わせ使用料を受取ることはこれに該当すると思われます。しかし席貸しが不特定多数の者に貸すことを予定していなく、町内会の会員その他これに準ずる者の用に供するためのもののうちその利用の対価の額が実費の範囲を超えないものであれば収益事業に該当することはないと思います。ところで私見ですが公益法人は公益のため設立された法人であり、少額の収益事業にあえて課税する必要はないと思っています。しかし法律に少額の規定がなくまた税務職員にも少額免除(どこまで少額になるかの問題もありますが)の裁量権がないため、質問の内容が収益事業に該当した場合は申告が必要ですと答えなければならないところが切ないところです。
Q2-4  住宅ローン控除を5年間適用していますが、今年退職金が出たので繰上げ返済を予定しています。住宅ローン控除の要件は10年以上の借入金となっていますが要件違反になり過去の分も追徴されますか。
A2-4  過去の分については追徴されません。当初は有効(10年以上の借入期間)な住宅ローン控除であったので過去5年間については何も問題はありません。また繰上げ返済した場合について過年度について追徴の規定もありません。
 国税庁HPの質疑応答事例にも次のように記載されています。
「繰り上げて返済したことによって、「償還期間が10年以上の割賦償還の方法により返済することとされているもの」に該当しなくなった場合には、その該当しなくなった年以後については住宅借入金等特別控除を受けることはできないこととされています(租税特別措置法関係通達41-19)。」
Q2-5  今度海外で年金暮らしをしようと思っています。年金の税金はどのようになりますか。海外でも納めなければならないでしょうか。
A2-5  年金についての課税権は所得税においては源泉地国課税(年金の支払地)ですが、大半の国との租税条約は居住地国課税(住んでいる国)となっています。つまり日本で年金機構に租税条約を提出すれば、日本での年金について年金の税金は免税となります。
 しかし居住地国(海外の住んでいる国)においては、その国の税制に従って年金を申告する必要があると思います。
 ※参考 国税庁HP質疑応答事例「退職年金に係る日加租税条約の適用関係」
 参考の質疑応答事例カナダのように年金について租税条約で条項がない国があります。そうすると所得税で判断(日本で課税)することになります。
つまりどこに年金生活するかによって税金の取扱いが違ってきます。
Q2-6  私はある団体(人格なき社団)を立上げ寄付金を募るつもりです。人格なき社団は34の収益事業を行わなければ申告の義務がないといわれていますが申告の必要はありませんか。
A2-6  確かに寄付金収入は34の収益事業に入りませんので法人税の申告は必要ありません。しかし人格なき社団は寄付金収入の額により贈与税、相続税の申告が必要になります。このように法人税は非課税になるのに贈与税、相続税の申告が必要な場合があります。
 一つの税法だけでなく他の税法からも検討する必要があります。役所は縦割りですのでつい一つの税法で考えてしまいがちですが、あらゆることを考慮して検討する必要があります。例えば公益法人の収益事業に該当したとしても赤字であれば税金はかかりませんと回答したとしてもこれは国税だけであり地方税は均等割がかかります。
 ※一部参考 国税庁HP質疑応答事例「町内会に寄附した相続財産」
Q2-7  私(サラーリマンで給与所得しかない)はドルが80円の時に1万ドルの外貨定期預金を作りました。いまドルが120円となりましたがこれについて税務の取り扱いはどうなりますか。なお、今現在外貨定期預金のままです。
A2-7  為替差益は所得税法上雑所得になります。給与所得者は年間20万円以上の雑所得等があれば申告が必要になります。ただ、円に交換した年に損益が発生したことになりますので外貨預金のままだと所得は発生していないことになります。
*法人税の取扱いは決算末で定期預金の満期日が1年未満であれば決算末で評価損益をたてます。
 ※参考国税庁HP「質疑応答事例外貨建預貯金の預入及び払出に係る為替差損益の取扱い」
Q2-8  一般社団法人は定款の作り方で法人課税が違うと聞きましたがどのようなことでしょうか。
A2-8  民法社団法人は平成20年の公益法人制度改革で一般社団法人と公益社団法人に分類されました。この分類は登記でわかります。税法もこのとき改正され、一般社団法人については、収益事業課税法人と普通課税法人に分類しました。しかしこの分類は登記ではわかりません。どこで判定できるかというと定款で次の記載事項があるか、ないかです。
 @ 非営利性が徹底された法人
 1 剰余金の分配を行わないことを定款に定めていること。
2 解散したときは、残余財産を国・地方公共団体や一定の公益的な団体に贈与することを定款に定めていること。
3 各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数 の3分の 1 以下であること。(定款に記載があった方がよい)
 A 共益的活動を目的とする法人
1 定款等に会費の定めがあること。
2 定款に特定の個人又は団体に剰余金の分配を行うことを定めていないこと。 (そもそも一般社団法人の設立は剰余金の分配をしないことが前提です)
3 解散したときにその残余財産を特定の個人又は団体に帰属させることを定款 に定めていないこと。
4 各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数 の3分の 1 以下であること。 (定款に記載があった方がよい)
では普通法人となった場合は法人税法上どのような課税になるかというと、寄付金収入も課税の対象になるということです。しかし反対に赤字の場合は預金利子にかかる所得税は還付を受けることができます。
参考:国税庁HPパンフレット「一般社団法人・一般財団法人と法人税
Q2-9  私は海外で年金暮らしをしていますが、日本にある土地、建物を売却した場合税金はどのようになりますか。
A2-9  非居住者が日本にある土地、建物を売却した場合、日本に課税権があります。ではどのような課税方法になるかと言えば、第一段階として買った人が代金の支払い時に10.21%を源泉徴収して税務署に納めることになります。例えば土地建物2000万円で売却した場合204万2千円の源泉税が差引かれます。あまりにも高いではないか、また赤字でも課税されるのかとの疑問があると思いますが一律売却額に10.21%容赦なく源泉税がかかります。しかし安心してください。これはあくまでも源泉税ですので確定申告で清算されます。納税代理人を立てて所得税の譲渡所得の計算で税額を算出し確定申告をします。申告と源泉税の差額は還付されます。
 なお、買った人が個人で自分の居住用に土地建物を使用するのであれば代金が1億円以下であれば源泉税もありません。ただし確定申告は必要です。
 (所得税法161条)
Q2-10  公益法人が太陽光発電で売電した場合は収益事業に該当するか。
A2-10  該当します。根拠条文は法人税法施行令5条の六 製造業(電気又はガスの供給業、熱供給業及び物品の加工修理業を含むものとし、・・)です。なお、減価償却費などが経費となります。
Q2-11  私は平成27年12月28日付で退職しました。退職金は平成28年の1月20日に振り込まれました。この退職所得は平成27年分ですか平成28年分ですか。なお、役員ではありません。
A2-11  平成27年分となります。退職金の収入すべき年度は所得税法基本通達に36-10に原則として「退職所得の収入金額の収入すべき時期は、その支給の基因となった退職の日によるものとする。」と規定しています。今回の事例の場合は平成27年12月28日となります。
この退職の年をいつにするかが重要になるのは税制改正があった時です。例えば最近では復興特別所得税2.1%が付加されていますが、この付加は平成25年分からとなっており、退職が24年であれば退職金の支払いが平成25年であっても復興特別所得税は付加されません。
なお、役員の場合は株主総会等の決議のあった日が退職の日となります。
Q2-12  私は個人でアパート経営(不動産収入)をしていますが年の途中で売却しました。それで譲渡所得が発生しますが減価償却費の扱いはどうなりますか。
A2-12  質問は「譲渡所得の建物の原価の算定」と「売却までの不動産所得の減価償却費の必要経費算入」の関係だと思います。結論から言ってしまえば減価償却費を計算しないで譲渡原価を算定してもいいし、減価償却費を計算して不動産所得の必要経費にしてもどちらでも納税者の選択です。会計上から言えば、売却するまでの減価償却費の計算をするべきですが、そうすると譲渡所得の計算で譲渡原価からその減価償却費を控除することになります。税務上は譲渡所得と不動産所得は税率が違いますのでやはりシュミレーションしてみるべきと思われます。
 参考:所得税法基本通達49-54で「年の中途において、一の減価償却資産について譲渡があった場合におけるその年の当該減価償却資産の償却費の額については、当該譲渡の時における償却費の額を譲渡所得の金額の計算上控除する取得費に含めないで、その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入しても差し支えないものとする。」とあります。
Q2-13  個人でアパート経営をしていますが、毎月の家賃を前月の末に受取る契約をしています。それで平成27年12月末に受取る平成28年1月分は、平成28年分の不動産収入としてよろしいでしょうか。
A2-13  原則平成27年分として申告することになります。会計上にいうと前受金処理することになると思いますが、所得税基本通達36-5で「不動産所得の総収入金額の収入すべき時期は、別段の定めのある場合を除き、それぞれ次に掲げる日によるものとする。
(1) 契約又は慣習により支払日が定められているものについてはその支払日、支払日が定められていないものについてはその支払を受けた日(請求があったときに支払うべきものとされているものについては、その請求の日)と規定されています。
  しかし、会計上の処理をしている事業者までこの通達で処理するのはいかがなものかということで、昭和48年11月6日付で「不動産等の賃貸料にかかる不動産所得の収入金額 の計上時期について」の個別通達をだして前受金処理も認めています。それで個別通達の条件に該当するものであれば質問の年度は平成28年になります。
参考:国税庁HP 申告所得税個別通達「不動産等の賃貸料にかかる不動産所得の収入金額 の計上時期について」
Q2-14  公益社団法人ですが収益事業がなく法人税の申告はしていません。このたび法人で所有している土地の一部を民間会社に2億円で売却しました。これは譲渡所得として税務申告する必要がありますか。
A2-14  最初に譲渡所得は所得税申告(個人)ですので法人が申告することはできません。そのうえで公益社団法人は法人税の34の収益事業に該当した場合に法人税の申告をすることになります。(注1)
そして34の収益事業のなかに「不動産販売業」があります。この「不動産販売業」とは棚卸資産として不動産を持っており、常に売買を繰返して行うものが該当します。今回の質問は、固定資産である土地をたまたま売却したものであることから「不動産販売業」には該当しません。結論として法人税の申告をする必要はありません。
 なお、この土地が収益事業に使用している土地であった場合(例えば売店の敷地など)でも次の条件であれば課税になりません。
法人税基本通達15-2-10(収益事業に属する固定資産の処分損益)
公益法人等が収益事業に属する固定資産につき譲渡、除却その他の処分をした場合におけるその処分をしたことによる損益は、原則として収益事業に係る損益となるのであるが、次に掲げる損益については、これを収益事業に係る損益に含めないことができる。
 (1)相当期間(著者コメント:おおよそ10年と言われています)にわたり固定資産として保有していた土地、建物又は構築物につき譲渡
 (2)収益事業の全部又は一部を廃止してその廃止に係る事業に属する固定資産につき譲渡、除却その他の処分をした場合におけるその処分をしたことによる損益
 ※注1(ただし公益社団・公益財団法人はその事業が公益目的事業に該当していれば非課税となります)。
Q2-15  1月1日は国民の祝日ですがそれ以外の年末(12月29日から31日)、年始(1月2日から3日)はどうして税務署は休みなのですか。また提出期限はどうなりますか。
A2-15  年末年始の休みは、次の太政官布告によります。書類の提出は国民の祝日と同じ扱いになり、提出期限は延びます。
 「明治6年太政官布告第2号
明治9年太政官達第27号による改正後の明治6年太政官布告第2号(休暇日ヲ定ム)
自今休暇左ノ通被定候事
一月一日ヨリ三日迄 十二月二十九日ヨリ三十一日迄」
Q2-16  私は現在アメリカで暮らしていますが(非居住者)、日本の株式を売却しました。税務上の扱いはどうなりますか。
A2-16  原則日本では不動産化体株式、支配株式等に該当しない限り課税されません。
非居住者に対する課税関係の概要(国税庁が作成している冊子「源泉徴収のあらまし」:国税庁HPでも見られます)では、(注)の4で課税になる株式の譲渡について見てみますと@株式を買い集めて譲渡する場合A特殊関係株主B不動産関連法人株式C日本国内で滞在中の譲渡などが日本で課税になると載っています。
つまりそれらに該当しなければ日本では課税になりません。
また日米租税条約でも居住地国(住んでいる国)課税となります。また他の国においてはその国との租税条約やその国の税法によることとなります。
最後に平成27年7月1日以後に日本から海外移住する富裕層にはいわゆる出国税が創設され出国時点での所有株式等の含み益に日本で課税する税制が創設されました。
Q2-17  収益事業をしていなければ税務署への決算書の提出は不要ですか。
A2-17  法人税の申告書は不要です。しかし年間の収入が8000万円を超えると事業年度終了の日の翌日から4月以内に税務署へ損益計算書又は収支計算書を提出する必要があります。また公益法人は社団・財団法人だけでなく学校法人、社会福祉法人、宗教法人、なども含まれます。(法人税別表第2の法人)
Q2-18  有限責任事業組合は税務上の取扱いはどうなりますか。
A2-18  有限責任事業組合(LLP)の税務上の取扱いは構成員課税(組合員又は出資者課税)となりますのでLLP自体は法人税の申告は不要です。しかし構成員には計算書を交付する必要がありますし、税務署には「有限責任事業組合等に係る組合員所得に関する計算書」を提出する必要があります。提出期限は翌年の1月31日までです。
 ※参考:国税庁HP[手続名]有限責任事業組合等に係る組合員所得に関する計算書
Q2-19  演奏バンドグループに一括支払う演奏報酬の源泉税はどのようになりますか。
A2-19  所得税204条1項5号に対する「芸能人の役務の提供報酬」には源泉所得税が10.21%課税される旨定めてあります。ただし法人に支払う場合には源泉徴収は不要です。そこで演奏バンドグループに支払う場合は源泉税が不要になるかの疑問があります。所得税基本通達204-1では次のように規定しています。
「法第204条第1項各号に掲げる報酬、料金、契約金又は賞金の支払を受ける者が、官庁等の部、課、係、研究会又は劇団若しくは楽団等の名称のものであって、人格のない社団等に該当するかどうかが明らかでない場合には、その支払を受ける者が次のいずれかに掲げるような事実を挙げて人格のない社団等であることを立証した場合を除き、同項の規定の適用があるものとする。
(1) 法人税を納付する義務があること。
(2) 定款、規約又は日常の活動状況からみて個人の単なる集合体ではなく団体として独立して存在していること。」
つまり人格のない社団として立証できない場合は、源泉税が必要になります。源泉の方法は、代表者個人を支払先とすることになると思います。または各人の取り分を決めて源泉の方法もあります。
Q2-20  公益法人で利益が出ない法人は「実費弁償の確認申請書」を出せば申告しなくともよいと聞きましたがどのような制度ですか。
A2-20  法人税基本通達15-1-28(実費弁償による事務処理の受託等)に「公益法人等が、事務処理の受託の性質を有する業務を行う場合においても、当該業務が法令の規定、行政官庁の指導又は当該業務に関する規則、規約若しくは契約に基づき実費弁償(その委託により委託者から受ける金額が当該業務のために必要な費用の額を超えないことをいう。)により行われるものであり、かつ、そのことにつきあらかじめ一定の期間(おおむね5年以内の期間とする。)を限って所轄税務署長の確認を受けたときは、その確認を受けた期間については、当該業務は、その委託者の計算に係るものとして当該公益法人等の収益事業としないものとする。」との規定があります。
 つまり、赤字が条件でなく収支がトントンであることが条件です。また請負業であることも条件です。これは法律でなく通達で規定されているものであり、国税庁HPには届け出様式がUPされていません。管轄の税務署で相談されるとよろしいでしょう。